ピロリ菌が胃潰瘍の原因かもしれない!ピロリの検査と除菌の方法
ピロリ菌てご存知ですか?
言葉は聞いた事ありますが
実際はよくわからない。
胃の病気に関係する菌
という理解はしている
そんな感じでしょうか?
そうですね。
一般的にはそうかもしれませんね。
前回、書いた記事の中に
胃の病気に
ピロリ菌が関係している
というのがあります。
参考記事はこちら
口臭からでも病気がわかる?早く知れば生活改善で予防ができる!
今日はピロリ菌について
少し、詳しく書いてみようと
思います。
胃は丈夫だから
大丈夫。
まだ、若いから大丈夫
と思っているあなた!
大切なご家族のために
知識を持っておくのも
良いと思いますよ。
なので、今日も
最後まで、お読みくださいね。
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ピロリ菌とは何者?
ピロリ菌は、胃の粘膜に生息できる
らせん形をした悪い菌で、
主に胃や十二指腸などの
病気の原因となる菌です。
大きさは、0.5㎛・長さが3~5㎛位
だそうです。
主に子供の頃に感染し、
一度感染すると多くの場合、
除菌しない限り胃の中に棲みつづけています。
ピロリ菌に感染すると、
炎症が起こりますが、
感染しただけでは、
症状のない人がほとんどです。
大人になってから感染すると
激しい胃の症状をみることがあります。
ピロリ菌の感染が続くと
慢性胃炎がすすみます。
この慢性胃炎が、
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、
萎縮性胃炎、
胃がんなどを
引き起こすおそれがあることが
明らかになっています。
ちょっと怖い話ですね。
でも、現在治療法もできたようなので
ご安心くださいね。
ピロリ菌による慢性胃炎は
ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
ともいわれています。
胃の中で生きられる菌?
人間の胃の中は
強い酸性の
胃液が分泌されていて
食べたも物を消化しています。
以前は、この強い酸性の胃液のために
胃の中では菌は死滅する
という考え方が
定説となっていました。
しかし、ピロリ菌は
ウレアーゼという
酵素を産生しているんです。
この酵素が
胃の組織中の尿素を
二酸化炭素と
アルカリ性のアンモニアに分解します。
そして、このアンモニアが
胃酸を中和してしまうんです。
なので、強い胃酸の中でも
ピロリ菌は生きられる事が
できるのです。
ピロリ菌は胃の中に必ずいるの?
ピロリ菌感染症は、
特に発展途上国に
感染者が多いのが特徴といわれています。
日本は先進国の中では
感染率が高く、50代以上の人の
7割を越えているそうです。
かつて、上水道の設備が
整っていない時代に、
飲み水や食べ物から
感染したと考えられています。
特に、幼児期は
ピロリ菌の感受性が強く、
感染が成立しやすいといわれています。
一度感染すると
自然消失例はほとんどなく
持続的に感染し、胃粘膜を傷つけて
胃に炎症を起こしはじめます。
慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、
胃MALTリンパ腫(悪性リンパ腫の1つ)、
胃がんの原因になることがわかっています。
ピロリ菌に感染していても、
全員が胃の病気になるわけではありませんが、
胃潰瘍の7割、
十二指腸潰瘍の9割が
ピロリ菌感染によって起こります。
除菌によって
治癒できる事が多いといわれています。
また、潰瘍は再発する率が
高いことが知られていますが、
除菌によって、
潰瘍再発が抑制されます。
現在では、
胃・十二指腸潰瘍の二大原因は
ピロリ菌感染と
非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)の
内服と考えられるようになっています。
ピロリ菌が発見されるまで、
消化性潰瘍の原因は
ストレスと考えられてきましたね。
精神的ストレスによる潰瘍の発生には
ピロリ菌の感染が
重要な役割を果たしている
可能性があることがわかったのです。
ピロリ菌の除菌
ピロリ菌治療で先行している
欧米では、
2種類の抗生物質と
胃酸を強力に抑える薬を使った
除菌療法に対して、
健康保険が適用されます。
日本でもピロリ菌の除菌療法に
健康保険が認められるようになりました。
ただし、
除菌のみの処置は
健康保険の適用外で、
すでに特定の胃の病気を発症していないと
健康保険が利きません。
現在、健康保険が適用される
胃の疾患は、
胃潰瘍と十二指腸潰瘍、
慢性胃炎です。
これまでピロリ菌の除菌治療は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気のみに健康保険が適用されていましたが、
2013年2月21日から「慢性胃炎」も健康保険の対象に加わりました。
ピロリ菌によって炎症を繰り返す慢性の胃炎に対して、薬の有効性と安全性が確認されたためです。
ピロリ菌がいると
胃の病気にかかりやすいことが
わかった現在、
健康保険が利かなくても
除菌治療をする人は増えています。
健康保険が効く病気が
早く増えるといいですね。
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ピロリ菌の検査
ピロリ菌は胃がんの危険因子であるとされ、
WHO(世界保健機関)でも
除菌治療が奨励されています。
まずは、ピロリ菌の検査を行いましょう。
尿素呼気試験法
ピロリ菌の検査は
尿素呼気試験法が一般的です。
尿素を含んだ検査薬を内服し、
服用前後の呼気に含まれる
二酸化炭素の量を比較します。
息をバッグに吹き込みます。
診断薬を飲み込みます。
再度、息をバッグに吹き込みます。
スピーディーなピロリ菌の検査で、
ほぼ100%の検出率です。
ピロリ菌はウレアーゼを放出して、
胃の中にある尿素が
アンモニアと二酸化炭素に分解されます。
そのため、ピロリ菌がいると
二酸化炭素が多く発生します。
呼気中の二酸化炭素含有量を
測定することで、
間接的に診断できます。
尿素呼気試験の検査の費用は
病院によって多少
違いもあるようですが
3割負担で684円
+診察料+薬剤量がかかります。
血液や尿便の中にある抗体を測定する方法
ピロリ菌の検査は
尿素呼気試験法だけではありません。
血中抗体測定法、
尿中抗原測定法、
便中抗原測定法
というのもあります。
血中抗体検査
血液のピロリ菌に対する
抗体の量を測定する検査方法です。
抗体とはピロリ菌を退治してくれる
体内のタンパク質の総称です。
その抗体が高値であれば、
ピロリ菌に感染していると診断できます。
3割の方で検査料のみで
約921円位です。
尿中抗体測定法
尿を検体とする尿中抗体測定法は、
判定が迅速で20分程度で済みます。
便中抗原測定法
便を調べる便中抗原測定法は、
診断や研究用途に作られた
ピロリ菌に対する
抗体を用いた
抗原抗体反応で調べます。
ピロリ菌に対する抗体は、
生きている菌だけでなく
死菌も抗原として認識し、
特異的に反応します。
それを利用して、
便中に含まれる菌に対して
抗原の有無を判定します。
3割の方で検査料のみで
約882円位です。
内視鏡検査
胃炎や潰瘍等の病気があるか、
ピロリ菌に感染していないか
胃粘膜を採取して検査します。
内視鏡を口腔か鼻腔から
挿入して胃の中を観察します。
同時に胃の粘膜の組織を採取して
3つの方法で調べます。
1:迅速ウレアーゼ試験
ピロリ菌を持つ酵素(ウレアーゼ)の働きで
作り出されるアンモニアの量を調べます。
3割の方で検査料のみで
約4962円位です。
2:鏡検法
採取した胃の粘膜を科学的に
染色して顕微鏡で観察します。
3割の方で検査料のみで
約7440円位です。
3:培養法
採取した胃の粘膜を用いて培養し、
菌が増えるか観察します。
3割の方で検査料のみで
約5190円位です。
ピロリ菌の存在を
確認する為に
検査をすることは
お薦めです。
※除菌後の感染診断を目的として実施する場合は、
除菌終了後6ケ月以上経過しないと実施できません。
検査方法については
主治医の先生と
よく相談してくださいね。
ピロリ菌が除菌できたかを調べるときは、
除菌薬の影響が強く出る可能性があり、
ピロリ菌が残っていても
偽陰性が出やすくなります。
そのため、除菌後の検査は
尿素呼気試験法が推奨されています。
保険診療の適応で検査が受けやすくなった
今までは
ピロリ菌に対する保険診療は
胃の特定の病気にかかった方のみに
限定されていました。
平成25年2月に
「ヘリコバクターピロリ感染胃炎」が
保険適用となったので
ピロリ菌の感染が確認された時
誰でも除菌の為の
保険治療を受けられる様になったのですよ。
もし、ピロリ菌の感染を知りたいだけの
方は全額負担になります。
検査料 約5000円から~12000円
(病院によって金額が違うようです。)
診察料 約1000円
薬剤料 約6000円
再度除菌の確認で検査をして
すべて自費で
25000円ぐらいかかるそうです。
1)1割負担の方
診察料+検査料 約1500円
除菌後再検査料 約1500円
病理検査 約1300円
2)3割負担の方
診察料+検査料 約4500円
除菌後再検査料 約3500円
病理検査 約4000円
実際の料金は、
病院によっても違いがありますので
事前によく確かめて下さいね。
最近の研究で
除菌による、
胃がんの抑制効果は、
胃炎が軽い人ほど
効果があるのがわかってきました。
費用の負担はありますが、
症状がひどくならない様に、
早目の除菌治療をお勧めします。
ピロリ菌の除菌方法
ピロリ菌の除菌は
胃酸を抑える薬と
抗生物質を
朝晩一週間飲みます。
検査が終わって
一か月後に除菌できたか検査します。
8割ぐらいの方は
除菌出来たと言われています。
もし一回目で除菌出来なかった時は、
違う薬を処方してもらい
もう一度除菌(治療)します。
日本の除菌では
ランサップという薬を服用されています。
これには胃酸分泌抑制薬である
PPI(プロトンポンプ阻害剤)と
2種類の抗生物質である
アモキシシリンと
クラリスロマイシンが含まれています。
ただ、特定の薬に耐性を持った
ピロリ菌もいますので、
仮にこれが効かなかった場合は
抗生物質をメトロニダゾールに
換えたりして、
組み合わせを試していきます。
まとめ
いかがでしたか?
ちょっと難しい言葉も
でてきましたが、
胃潰瘍を繰り返したり
慢性胃炎になっているような方は
一度、検査をしてみたら
いかかでしょうか。
そして、胃がんの予防に
なるのなら
検査を、やってみる価値は
充分ありますね。
ご家族の方にも
是非、教えてあげてくださいね。
今日も最後まで、
お読みいただきありがとうございました。
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